将来の相続で相続税が節税できるよう、または、遺産争いがおこらないよう、生前からご家族の方に贈与しておくことをおすすめします。目新しい対策方法ではありませんが、効果的な相続対策になります。
ただし、「贈与をしたつもりでいたのに、贈与と認めてもらえなかった」という場合も多いので、注意が必要です。
子供がまだ30代で若いし、この先ずっと親をあてにされても困るので、まとまったお金を渡したくない。
とりあえず、子供名義の預金を作って親の私が管理している。
お子様の名義で預金していても、口座の管理が親であれば、贈与したことにはならないので、注意が必要です。
自由に使えるお金をあまり渡したくないとのことであれば、お子様がマイホームや車などを買われるときに、資金援助というかたちで贈与する方法もあります。
例えば、財産の大半が土地・建物で金融資産がほとんどない場合など、将来相続が起こったとき、納税資金に困ることが往々にしてあります。
納税資金の確保のため、生命保険等の検討、資産の売却の検討や、納税猶予制度利用の検討など、将来の納税に備えて資金対策を考えておくことが重要です。
財産が土地・建物ばかりで、預金などがあまりない。このままでは、相続が発生したときの納税資金がないと思う。
まずは、財産の内容を把握して、相続税がどのぐらいかかりそうか試算します。
その上で、やはり資金が足りないなら、資産の売却をするとか、生命保険を検討するなど、資金の準備をすすめます。とくに、不動産については、相続が始まってから納税資金のために急いで売却しようとしても、買い手がつかなかったり、足元を見られて思うように売れなかったりしますので、時間に余裕があるうちに検討したいものです。
どの財産を誰に引き継いでもらいたいか、それぞれのご希望があると思います。また、相続財産の分け方によって、相続税額を大きく下げることもできます。しかしながら、相続が起こってから大問題になる可能性があるのも、遺産分割です。希望通りの相続にするためには、生前から遺産分割について考え、必要なら遺言書を作っておくことをおすすめします。
兄弟仲が悪いというわけではないが、相続が起こったときに末の妹がわがままを言いそうで心配。
私は、両親と両親の家に同居していて、このままこの家をもらって住み続けるつもりでいるが・・・
あらかじめ、ご両親に明確な遺産分割の方針を伝えておいてもらうことで、相続人同士が納得できます。口約束だけでは、もめる原因にもなるので、公正証書遺言を作成するといいでしょう。
事業承継では、自社株や事業をどのように引き継いでいくか、ということに加え、相続対策という意味では、自社株を引き継がない相続人の方へのケア(代わりに別の財産を残すのか、お金を渡すのかなど)をどうするかも考えなければなりません。
長男に事業を継がせたいが、相続で株式が分散すると長男が将来事業をやりにくくなってしまうので、心配。
社長が存命中に、生前贈与で株式を長男に集中させ、長期的に安定した経営をするための基盤を構築します。
相続時に他の親族から不満が出そうであれば、株以外の財産の分け方を考えて遺言を書いておく、預貯金や生命保険等で他の親族に渡す資金を手当てしておく、などの対策が必要です。
将来の相続について「うちは問題が起こらないはずだから、大丈夫。」「まだ今は考えたくない。相続が始まってから何とかすればいい。」という方がとても多いことに驚かされます。
相続が発生するまではそう言っていたのに、実際に相続が発生すると、骨肉の争いをする家族を、たくさん見てきました。相続する側は、一生にせいぜい2度。相続される側は一生に一度きりのことです。しかも、大切な人が亡くなってしまうのですから、できるだけ考えたくないし、具体的なイメージも湧きません。
だから、相続対策は後手後手に回ってしまうのです。
相続は生前から準備しておくのとしないとのでは、大違いです。相続が始まってからではできることも限られてしまい、「ああしておけばよかった」「こうしておけばよかった」と思うことにもなります。生前から対策をしておくことで、遺産の分割、相続税の申告、納税までスムースに進めることができるのです。 争いごとなく相続がうまくいくケースに共通するのは、事前に問題が起こりそうな点を確認し、それに応じた対策をたて ているということです。
最近では、雑誌で相続特集が組まれたり、相続関係の書籍もたくさん出版されるようになりましたので、「生前対策を」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。 そのような方でも、「相続対策が必要だと思うけど、本に出ている例はうちにはあてはまらないし、どうすればいいか分からない。」このような不安、疑問をお持ちではないでしょうか。 相続というのは、それぞれのご家庭で事情が違ってきますので、対策も1つではありません。 当事務所では、これまでの経験を活かして、まず皆様の現状と問題点を整理して具体的な対策プランを提案をし、その後、対策の実行までサポートいたします。
相続対策を効果的にするには、3年、5年、10年といった時間が必要になりますので、早い段階から準備をされることをおすすめいたします。
また、上記のものは、生前対策の一例です。相続対策は、それぞれのご家庭の事情によって変わってきますので、当事務所では、じっくりとお話を伺って、対策をご提案させていただいております。