2015/09/17
ヨシコ社長。
今日は書類を眺めながら、何やら悩んでいるようです。
飲食店の経営では、給与をどうするかも大切な問題です。売上に対して人件費が占める割合は25~30%にもなりますから、よく考えた方がよさそうです。
大手の飲食チェーンを除き、明確に給与体系が定められている飲食店は少ないです。また、店舗のコンセプト(高級店か一般向けか)によって相場も違います。なので一般化は難しいのですが、経験則で整理するとだいたい次のように分かれています。
多くの経営者は、だいたい上記のように従業員を区分して考えています。
おおまかな体系で良いので、まずはこのような職位を決めて、その職位で採用する場合の標準的な給与水準を決めておきましょう。
なぜなら、飲食店は就職・退職が頻繁に起こるので、その都度考えて決めていると負担になるうえ、場当たり的になってしまって、各従業員の実力と給与水準とが逆転するようなことも起こってしまうからです。
実際、給与の違いや昇給の違いで、従業員同士がトラブルを起こすこともあります。
昇給の幅についてもケースバイケース、その場その場で決めていることが多いようです。しかし、昇給幅についても、ある程度、従業員に周知して、考課の結果、昇給幅を決定しているという形にした方が公平感があってよいでしょう。
公務員や大企業のように、給与表を作成して運用することも考えられます。
昇給時期については、企業によっていろいろですが、4月に昇給している飲食店が多いように思います。ところが4月に昇給すると、それが9月からの社会保険料アップに反映されてしまいます。
社会保険料は原則として毎年9月に見直されるのですが、これは4月から6月の給与水準をベースに見直しが行われます。例えば2015年4月から6月の給与水準をベースに、2015年9月から翌年8月までの社会保険料が決定されるわけです。
したがって昇給時期を4月にしてしまうと、それがすぐに9月の社会保険料に反映されてしまいます。ですから、昇給時期としては4月ではなく7月の方が、経費節減の観点からは望ましいといえます。
飲食店の人件費で悩ましいのが残業代です。もちろん従業員にはきちんと残業代を払うのですが、どうしても残業代が多くなりがちですよね。
経営者としては、残業代は支払うけれども、資金繰りの心配もあるし、ある程度、めどをつけておきたいというのが正直なところです。 そこで、飲食店のなかには、「みなし残業代」を設定しているところもあります。
「みなし残業代」とは、例えば「月20時間までの残業代」として、あらかじめ定額の手当を設定しておく方法です。
A.みなし残業代を定めない場合
基本給20万円
B.みなし残業代(20時間分)を定める場合
基本給16万円、みなし残業代4万円
このように残業が発生すると、大きな差が出てきます。従業員の人数が多くなり、さらに1年間通して、となると影響はかなり大きくなります。
人件費をうまくコントロールした結果、会社に利益が残れば、それは賞与によって従業員に還元すればよいでしょう。そのようなときに、各店長の評価が大切になってきます。
そこで来月は、賞与を支払うときを想定して、店長の評価について取り上げたいと思います。
次回は「どの店長にボーナスをたくさんあげよう?店長の評価について」です。10月20日アップ予定。