2016/10/20
業績不振のC店。
閉店するかどうかのギリギリの状態が続いています。
どの飲食店にもターゲットとしているお客さんがあります。C店であれば、オフィスと住宅とが混在している地域にありますから、ターゲットの設定は昼と夜とで異なります。
現実のお客さんを見ると、
お昼は会社員。客単価は800円~1,000円。
夜は近隣の家族連れと、仕事帰りの会社員。客単価は1,000円~1,500円。
といった感じです。
仮にこれらの人がターゲットだとして、夜の営業について少し考えてみましょう。まずターゲットである家族連れを意識したときに、競合する飲食店はどこになるでしょうか?
家族連れの行く客単価1,000円~1,500円の飲食店。C店の周りを見渡すと、
・ファミレス P店 (客単価1,300円程度)
・回転寿司 Q店 (客単価1,000円程度)
・レストラン R店 (客単価3,500円程度)
などが目につきます。
このようなターゲットを仮に「上田さん一家」と呼びましょう。
おそらく上田さん一家は、お父さんは仕事で帰りが遅く、お母さんも仕事をしているか、なにか習い事をしたりして、ときどき晩御飯を作るのが面倒なので外食しよう、となる。
近所におばあちゃんも一緒に住んでいて、おそらくおじいちゃんは既に他界されている。だから、せっかく外食するときにはおばあちゃんに声をかけて、できたらおばあちゃんに御馳走になってしまおう。孫もおばあちゃんのことが好きだし、おばあちゃんも孫と一緒にご飯を食べられるなら、夕食代くらい安いもの。
上田さん一家が晩御飯に行くときに、候補に挙がるのは、おそらく
・ヨシコキッチンのC店(客単価1,000円~1,500円)
・ファミレス P店(客単価1,300円程度)
・回転寿司 Q店(客単価1,000円程度)
でしょう。
P店、Q店はいずれも家族連れで行きやすい雰囲気ですし、おばあちゃんでも好きなメニューです。
(焼肉とか居酒屋とかだと、おばあちゃんにとっては騒がしすぎるし、メニューもあまりおばあちゃん好みではないはずです。)
これに対してレストランR店(客単価3,500円程度)は、子どもを連れていくには雰囲気が落ち着きすぎていて、周りを見渡すと大事な商談が行われていたりします。それに、おばあちゃんが普段使いで子どもたちを連れていくには値が張ります。
こうしてみると、ヨシコキッチンC店の競合店は、ファミレスP店 回転寿司Q店 といえそうです。
このようにターゲットを上田さん一家と決めれば、競合店がどこかが分かるようになります。逆にターゲットがあいまいだと、競合店がどこなのかもあいまいになってしまい、結果的に他店との差別化ができなくなってしまいます。
C店の競合はP店、Q店ですから、この2店と比較して、上田さん一家が、「C店が一番魅力的!」と感じてくれれば良いわけです。
そのためには、ファミレスP店、回転寿司Q店との違いを明確にし、それを上田さん一家にもきっちりと分かるような形で伝えることです。上田さん一家はC店のファンになってくれるはずです。
さあ、差別化のポイントはどこにあるのでしょうか?
ひとつの答えは、2016年8月号で書いた「顔の見える店長」作戦です。
その他の戦略については、また改めて書きたいと思います。次回は11月20日頃のアップ予定です。