大規模チェーン店との戦い方。 顔の見える店長とは?

大規模チェーン店との戦い方。 顔の見える店長とは?

2016/08/19

 業績不振のC店。

 もう撤退しかないか、とヨシコ社長が諦めてしまいそうになっています。

 

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顔が見える店づくり=店長をアイドルにする

 

 店長の顔が見える店づくり、というのは、簡単に言えば、「店長をアイドルにして、たくさんのファンをつくる」ことです。

 

 店長が調理場で調理をしているだけならば、お客様にとって店長さんは、どこかにいる「店長さん」でしかありません。

 

 では、どのようにすれば、店長がアイドルになって、お客様が店長のファンになってくれるのでしょうか?そのためには、できるだけお客様に店長のことを知って頂かなければなりません。

 

 例えば・・・

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 忙しい店長ですが、来店されたお客様に声をお掛けすることで、お客様は店長を知ってくれます。来店された時、食事中、帰られる時、どこかのタイミングで店長がお客様に声をお掛けします。

 

 「こんばんは。店長の塩田です。(名刺を渡す)」

 

 「今日のお料理はいかがですか?当店名物の○○は召し上がっていただけましたか?私、このメニューが大好きなんです。

  私とこのメニューとの出会いは・・・」

 

 「近くに職場があるのですか?もしよければお名刺を頂いてもよろしいですか?」

 

 お客様の立場になって考えてみましょう。店長がわざわざ自分の席まで来て、挨拶をして、料理の感想など、聞いてくれる。自分はお客様として大切にされているな、と感じてもらえます。関係性が、単なる「客」と「店長」から、個人対個人の顔の見える関係に進化します。

 

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 店の運営で忙しすぎて、店長が挨拶をする余裕もない、ということもあるかもしれません。

 

 それならば、メニューブックに店長の顔写真や似顔絵を入れて、名前や趣味、店のなかの好きなメニューなど、店長のことを紹介してください。それだけでなく、店の歴史や、店に対する思いなどを書くのも良いでしょう。あるいは食材の仕入先にこだわりがあるなら、仕入先を紹介するのも良いでしょう。

 

 サービススタッフがお客様の様子を見て、少し会話も途切れているグループがいたら、

  「メニューブックの最初のページに店長の紹介や当店のこだわりが書いてありますので、ぜひご覧くださいね」

と声を掛けるのもよいでしょう。

 

 店長の性格、特徴、長所、短所をお客様に知って頂くことで、「ただの店長」から「塩田店長」に変わるわけです。

 

 

 

大手飲食チェーンには決してマネのできない戦略

 

 このような店長のアイドル化は大手飲食チェーンにはなかなかマネのできない戦略です。なぜなら、大手飲食チェーンは店長さんが異動になることがよくありますし、店長の退職もよくあります。

 また、大手飲食チェーンに就職する人の多くはいわゆる会社員になるのを希望している人が多いので、アイドルのように取り上げられるのは好みません。

 

 店長をアイドルにするという戦略は大手にはマネができないのです。そこを逆手にとって、店長の個性を打ち出しアイドル化するのが、小規模飲食店の戦略です。

 

 店長を売り出すだけでなく、他の店員、特に正社員の店員がいれば、彼ら、彼女らもアイドルにしていくこともできます。また、そうすることで店長にも店長としての意識が高まります。

 

 

 人だけでなく、メニューに工夫することもできます。

 

 大手チェーン店は、どこに行っても同じメニュー。 カタログのように商品の名前と写真、価格を記載するだけのメニューが大半です。

 でも、小規模な飲食店ならば、「店長イチオシメニュー!こんなところを工夫しています。こんなところで奇跡的に発見した珍しい○○という食材を使っています!」などなど、メニューもそれぞれを際立たせることができます。

 

 

逆に、最もよくない戦略は、小規模な飲食店なのに大手チェーンのように

 

・顔の見えない店長

・顔の見えない店員

・カタログのようなメニュー

 

をまねることです。

 

 ヨシコ・キッチンのC店は、小規模な飲食店であるにもかかわらず、まさに大手飲食チェーンが取るような戦略を取ってしまっていたようです。

 

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さあ、ヨシコ社長は、ここで踏ん張りきれるのでしょうか。次回は9月20日頃アップ予定。

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